ソーシャルレンディング
ここではソーシャルレンディングを1000万円の運用方法として考えている方に向けて、リスクの少ない投資法や運用シミュレーションを解説。リスクから見る消耗ポイントについても触れています。
1000万円のソーシャルレンディング- 運用シミュレーション -
ソーシャルレンディングはお金を貸したい人とお金が必要な人をインターネット上で結びつけるサービスです。投資家にとっては高い利回りが魅力で平均すると年8%程度となっています。
ファンドによって利回りが異なり年利は5~12%くらいの幅があるため5%、8%、12%の3パターンで運用予想を比較してみました。途中解約や売却は不可能で、運用期間は3ヶ月から長くても2年くらいが一般的なので表はあくまで目安です。
年利5% | 年利8% | 年利12% | |
---|---|---|---|
5年後(元本+運用収益) | 12,762,816円 | 14,693,281円 | 17,623,417円 |
10年後(元本+運用収益) | 16,288,946円 | 21,589,250円 | 31,058,482円 |
30年後(元本+運用収益) | 43,219,424円 | 100,626,569円 | 299,599,221円 |
ソーシャルレンディングは投資先や取扱業者の倒産など信用リスクはありますが、価格変動リスクがなく、流動性リスクは途中解約できない点で中程度。全体としてミドルリスク・ミドルリターンの投資と言えます。
ソーシャルレンディングでの1000万円の使い方
ミドルリスク・ミドルリターンの投資の基本はやはり分散投資です。
信用リスク回避のための分散投資
ソーシャルレンディングの最も大きなリスクは信用リスクです。そのため運用資金を1社に集中させるのではなく、20%ずつくらいに分けることがポイントです。また取扱業者の信用度が低い場合は、投資時期をずらして少しずつ資金を投入していくことも必要です。途中解約できない点も考慮に入れるべきでしょう。
ソーシャルレンディングのデメリット
ソーシャルレンディングは利回りが高くリスクが低い投資方法ですが、次のようなデメリットが存在します。
貸し倒れと返済遅延のリスク
ソーシャルレンディングの最大のデメリットが貸し倒れのリスクです。融資した企業の業績が悪化した場合、返済不能に陥ってしまう可能性も。また、同様のリスクとして返済の遅延が起こるという可能性もあり、この2点で判断すると安定感のない投資方法だと考えられます。
匿名化によってリスクを判断できない
ソーシャルレンディングでは、賃金業法に該当しないために融資先を匿名化しています。投資家は、自分が融資する先の企業名を知ることができないため、貸し倒れや返済遅延のリスクを判断することができません。経営状況が既にかなり悪化している企業に、知らない内に融資をしていたということも考えられるでしょう。
早期償還や運用期間の延長の可能性
ソーシャルレンディングの運用期間は融資先企業の返済状況によって決まります。そのため、1,000万円をすぐに返済できる企業であれば、早期償還がなされる可能性もあるでしょう。反対に、返済の延滞などが起こった場合、1,000万円の資金が予定通りに戻されないこともあります。
ソーシャルレンディングのリスクに見る「消耗」の面影
ソーシャルレンディングで資産運用するためには以下のような「消耗」が考えられます。
表面には出てこない「搾取」が発生
ソーシャルレンディングは投資信託のように信託報酬を払って運用を任せるといったことはなく、表面上の手数料コストはかかっていないように見えます。しかし投資先への貸し付け利率と投資家に対する利回りの金利差があり、その部分が取扱業者の利益となります。これを私は「搾取」と呼ばずにはいられないのです。